Difyのローカル環境を使いこなす!インストールから実践まで解説!

「Dify」はAIアプリをノーコードで作ることができる優れたプラットフォームです。

最近ではコスト削減やセキュリティ意識の高まりから、ローカル環境で運用したいと考える人も増えています。

この記事では、Difyをローカルで使うためのインストール手順や活用方法を、初心者の方にもわかりやすく紹介していきます。

目次

Difyとは?ローカル環境で動かす基本を理解しよう

Difyをローカル環境で動かすことは、AIアプリ開発をより自由に、柔軟に行うための第一歩です。

ここではまず、Difyの基本機能と、ローカル環境とは何か、そしてなぜローカル実行が注目されているのかについて、順番に解説していきます。

Difyの主な機能と特徴

Difyは、AIアプリケーション開発を支援するLLMOps(大規模言語モデル運用管理)プラットフォームです。

ノーコード・ローコードで使えるため、プログラミングの知識がなくても簡単にAIアプリを作成できます。

特に注目すべき特徴は次の通りです。

Difyの注目すべき特徴
  • ビジュアルプロンプトエンジニアリングができ、直感的にAIの挙動を設計できる
  • RAG(検索拡張生成)パイプラインを構築し、知識ベース型AIを作成できる
  • エージェント機能により、複雑なタスクも自動化できる
  • BaaS(Backend as a Service)機能を活用し、ユーザー管理やデータ保存も簡単

さらに、Difyはオープンソースで提供されているため、自由にカスタマイズしたり、自分のPC上でローカル実行したりすることが可能です。

Difyのこの柔軟性が、多くのユーザーに支持されている理由のひとつといえるでしょう。

「ローカル環境」とは何か?初心者向け解説

「ローカル環境」とは、自分のPC上にソフトウェアをインストールして動かす環境のことを指します。

たとえば、Google Docsがクラウド上で使うツールなのに対し、Microsoft WordをPCにインストールして使うのがローカル型です。

ローカル環境に必要なもの
  • ハードウェア(PC本体)
  • OS(WindowsやMacなど)
  • サポートソフトウェア

ローカル環境で使用する際は上記が揃っていることが基本となりますので、後ほど解説していきます。

メリット多数!Difyをローカル環境で使う理由と活用シーン

Difyをローカル環境で使うと、クラウド版にはないさまざまなメリットを得ることができます。

コストを抑えたり、セキュリティを強化したり、自由なカスタマイズやオフライン利用も可能になります。

ここでは、ローカル環境ならではの利点と、具体的な活用シーンについて詳しく見ていきましょう。

Difyをローカル環境で使う理由
  • コスト
  • セキュリティ
  • カスタマイズ
  • オフライン利用
  • 学習・開発

①コスト:クラウド利用料からの解放

Difyをローカル環境で使う最大のメリットのひとつが、コスト削減です。

クラウド版では月額利用料が発生することがありますが、ローカル環境ならプラットフォームの使用自体に料金はかかりません

ただし、OpenAIなど外部LLM(大規模言語モデル)のAPIを利用する場合には、別途使用料が発生する点には注意が必要です。

完全に無料で運用したい場合はローカルLLMの導入が必要ですが、最初は外部サービスを利用しながらローカル環境でDifyを動かしてみるところから始めるのがおすすめです。

②セキュリティ:データを手元で管理する安心感

ローカル環境でDifyを運用するメリットは、データを完全に手元で管理できることです。

プロンプトや生成されたコンテンツ、知識ベースに保存する情報など、すべてが自分のPC内にとどまります。

クラウドサービスを使う場合と違い、外部サーバーにデータが送信される心配がありません。

これにより、機密性の高いビジネス情報や個人情報を扱う際にも、データプライバシーやコンプライアンス(法令遵守)の観点から安心して利用できる環境が整います。

特に、セキュリティポリシーが厳しい業界や企業でも、ローカル環境なら柔軟に対応しやすくなるのです。

③カスタマイズ:自由な環境構築と拡張性

ローカル環境でDifyを使うことは、実行環境の制御やカスタマイズを自由に行えるのも大きな魅力です。

Difyはオープンソースで提供されているため、ソースコードを改変したり、自作ツールと連携させたりと、独自の使い方が可能になります(※ただし高度なスキルが必要です)。

また、PCのリソース(CPUやメモリなど)も自分で管理できるため、開発やテストを思い通りの環境で進めやすくなるでしょう。

④オフライン利用:ネット接続不要の利便性

インターネットに接続せずに管理画面にアクセスできることも、Difyをローカル環境で使用する大きな利点です。

ただし、外部LLMのAPIを使う場合にはネット接続が必要です。

完全なオフラインでAI機能を使いたい場合は、ローカルで動作するLLMを別途導入する必要がある点には注意しましょう。

⑤学習・開発:試行錯誤に最適な環境

ローカル環境でDifyを使えば、コストや制限を気にせずに自由に試行錯誤できるのが大きな魅力です。

機能をじっくり学びながら、自分のペースでAIアプリ開発にチャレンジできるため、初心者にもぴったりです。

また、プロトタイプの作成や動作テストなども手軽に行えるため、本格的な開発に向けた練習環境(サンドボックス)としても最適です。

失敗を恐れずにいろいろな機能を試せるので、初めての方は特にローカル環境の導入を検討してみるとよいでしょう。

初心者でも安心!Difyローカル環境の構築ステップ

Difyをローカル環境で使うためには、いくつかの準備とインストール作業が必要です。

難しそうに感じるかもしれませんが、手順通りに進めれば初心者の方でもスムーズに導入できます。

ここでは、必要な準備からソースコードの取得、Dockerを使った起動方法まで、順を追ってわかりやすく解説していきます。

準備するものリスト(PCスペック、Git、Docker)

Difyをローカルで動かすためには、以下の準備が必要です。

項目内容
PCスペックRAMは最低8GB以上(できれば16GB以上推奨)。CPUはIntel Core i5以上、ストレージは空き20GB以上が望ましいです。
Gitソースコードを取得・管理するために使用します。未導入の場合は、Git公式サイトから無料でダウンロードできます。
Docker仮想環境を構築し、Difyを簡単に起動できるツールです。WindowsやMacではDocker Desktop
LinuxではDocker Engine+Composeを使用します。

中でもDockerはDifyのセットアップを簡単にする重要なツールで、 これらを揃えておけば、初心者でも安心してローカル環境を構築できます。  

Difyソースコードの取得 (`git clone`)

Difyのソースコードを取得するには、まずターミナル(またはコマンドプロンプト)を開き、作業したいフォルダに移動します。

git clone https://github.com/langgenius/dify.git

コマンドが完了すると、現在のフォルダ内に「dify」という名前の新しいフォルダが作成されます。

これでソースコードの取得は完了です。

Docker Composeを使った簡単起動コマンド解説 (`docker-compose up -d`)

ソースコードを取得したら、次はDockerを使ってDifyを起動しましょう。

まずターミナルで、dify/dockerディレクトリに移動します。

cd dify/docker

次に、以下のコマンドを実行します。

docker-compose up -d

このコマンドは、Difyを起動(up)し、バックグラウンド(-d)で動かすという意味です。

初回実行時は、必要なイメージをダウンロードするため少し時間がかかる場合があります。

なお、Dockerのバージョンによっては、ハイフンなしの「docker compose up -d」コマンドが必要になることもあります。

起動が完了したら、ブラウザでhttp://localhost/にアクセスし、管理者アカウントの作成を行いましょう。

Difyローカル版を使ってみよう

ローカル環境でDifyの起動ができたら、いよいよ実際に使ってみましょう。

ここでは、管理画面へのアクセス方法と、AIモデルを使うために必要なAPIキーの設定手順について解説していきます。

初心者の方でもスムーズに使い始められるよう、わかりやすく説明していきますので安心してください。

管理画面へのアクセス方法

Difyを起動したら、ブラウザでhttp://localhost/にアクセスしましょう。

初回アクセス時には、インストール時に設定した管理者アカウントでログインします。

ログイン後は、ダッシュボード画面が表示され、ここからアプリの作成やモデル設定など、さまざまな機能にアクセスできるようになります。

モデル設定の基本(APIキー設定など)

Difyで外部のLLM(たとえばOpenAIのGPTなど)を利用するためには、APIキーの設定が必要です。

LLMとは、大量の文章データを学習して人間のように自然な文章を生成できるAIのことを指します。

APIキーは、サービス利用者を識別するための「鍵」のようなもので、正しく設定することで外部サービスと連携できるようになります。

Difyの管理画面から、「設定」→「モデルプロバイダー」の順に進み、使いたいサービスの項目にAPIキーを登録しましょう。

APIキーは、各モデルのセットアップから、提供サービス(例:OpenAI、Anthropicなど)の公式サイトへ飛び、アカウント登録後に取得できます。

設定が完了すると、アプリ作成時に連携モデルを選択できるようになり、すぐにAIアプリ開発をスタートできます。

【ローカル vs クラウド】Difyのどちらを選ぶべきか徹底比較

Difyを活用する際、ローカル環境で運用するか、クラウドサービスを利用するかは重要な選択になります。

それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分の目的に合った使い方を選ぶことが大切です。

ここでは、機能・性能、コスト、運用保守、セキュリティの4つの観点から、ローカル版とクラウド版を徹底比較していきます。

比較軸ローカル版クラウド版
機能・性能コア機能は同等だが、カスタマイズ自由。PCスペックに依存。最新機能が先行提供される場合あり。安定した性能とスケーラビリティ。
コストプラットフォーム使用料は無料。外部API料やハードウェアコストは自己負担。基本無料プランあり。本格利用時は有料プラン+API料が必要。
運用・保守インストール・設定・トラブル対応まで自己管理。技術知識が必要。運用・保守は提供元が対応。ユーザー負担は最小限。
セキュリティデータを自己管理できるため高いコントロール性。ただし自身で保護が必要。提供元のセキュリティ対策に依存。利便性は高いがコントロール性は低下。

①機能・性能の違い

Difyのコア機能は、ローカル版とクラウド版で基本的に同じです。

ただし、クラウド版では最新機能が先行して提供されたり、便利な統合機能が追加される場合があります。

一方、ローカル版はソースコードを改変して独自カスタマイズができるという自由度の高さが魅力です(※高度なスキルが必要です)。

性能面では、ローカル版は使用するPCのスペック(CPU、メモリなど)に大きく依存します。

対してクラウド版は、安定した性能と柔軟なスケーラビリティ(利用規模に応じた拡張性)が期待できるのが強みです。

②コスト面の比較

ローカル版のDifyは、プラットフォーム自体の利用料がかからないため、基本無料で使うことができます。

ただし、PCのハードウェア費用や電気代、外部LLMのAPI利用料は別途発生します。

完全無料で運用したい場合は、ローカルLLMを導入する方法もありますが、こちらはやや高度な設定が必要です。

一方、クラウド版には制限付きの無料プランが用意されていますが、本格的に利用する場合は有料プランへの加入と、別途外部APIの使用料が必要になります。

③運用・保守の手間

ローカル版のDifyは、インストールや設定、アップデート、トラブル対応、バックアップ作業など、すべてを自分で管理する必要があります。

そのため、ある程度の技術知識と、作業にかける時間が求められます。

一方、クラウド版では、運用・保守はサービス提供元が担当してくれるため、ユーザー側の負担はほとんどありません。

手軽に使い始めたい方や、管理作業に時間をかけたくない方には、クラウド版の方が適しているでしょう。

④セキュリティ

ローカル版のDifyでは、すべてのデータを自分のPC内で管理できるため、情報管理におけるコントロール性が非常に高くなります。

ただし、その分マシン自体のウイルス対策やバックアップなど、セキュリティ管理はすべて自己責任となります。

クラウド版では、データはサービス提供元のサーバー上で管理されます。

高度なセキュリティ対策が施されていますが、最終的には提供元を信頼してデータを預ける形になります。

利便性と引き換えに、直接的なコントロールはやや制限される点に注意が必要です。

自分に合った方を選んで触ってみよう!

Difyをローカルで使うことで、コスト削減、データの自己管理、自由なカスタマイズといった多くのメリットを得られます。

GitやDockerを使った環境構築も、手順通りに進めれば初心者でも挑戦できます。

ローカル版は自由度の高さ、クラウド版は手軽さと安定性が魅力です。

どちらが自分に合っているかを考えながら、ぜひ一度Difyに触れて、AIアプリ開発の世界を探求してみてはいかがでしょうか。

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